生活が苦しいのは「あなたのせい」だけじゃない
働く人の多くが、「頑張っているのに生活がラクにならない」と感じています。
その一方で、会社側の“会社の貯金”のように見える内部留保は増え続けています。
たとえば財務省の法人企業統計では、企業の内部留保が2024年度末に約637兆円と過去最高を更新した、と報じられています。
この構図を聞くと、努力している人ほど「不公平だ」と感じやすいですよね。
でも、ここで大事なのは犯人探しをしないことです。
焦点は「個人が足りない」ではなく、お金の分け方(分配)と、対立が生まれやすい仕組みにあります。

数字で見ると、モヤモヤの正体が見える
現実には、賃金も少しずつ上がっています。たとえば連合の集計では、**2024年春闘の平均賃上げ率が約5.1%**と大きめでした。
ただ問題はここからです。
名目(見た目)の賃金が上がっても、物価も上がると、手元の実感は増えません。厚生労働省の毎月勤労統計(2024年分の結果速報)に基づく解説では、実質賃金指数が3年連続で前年比マイナスになった、とされています。
つまり、体感としてはこうです。
「給料は少し上がった。でもスーパーの会計がもっと上がった。」
その結果、「苦しい方向」に進んでいるように感じやすいのです。

狭いリングで戦わせると、上が回収しやすい
仕組みをたとえるなら、狭い場所で人を競わせるゲームです。
同じ部署の人どうしが、席を取り合い、評価を取り合い、消耗していく。すると視線が「となりの人」に向きやすくなります。
でも本当は、上にある大きなハンドル――
たとえば「利益が出たとき、賃金に回すのか、社内に貯めるのか、株主に配るのか」という配分――が結果を左右します。
ここで争いが起きると、個人は疲れて交渉力が下がります。
すると会社は「今は難しい」「将来のために」などの言葉で、貯める判断をしやすくなる。
あなたが弱いからではありません。構造がそう動きやすいのです。
だから、怒りの矛先を「自分」や「同僚」に向けすぎないでください。
あなたの心は戦場ではなく、灯りのある部屋に置いてあげましょう。

まとめ
不公平に見える世界を、今日いきなり全部変えるのは難しいです。
でも、あなたが消耗しないための一手は打てます。
- 構造を知る:自分を責める前に、「分配の問題かも」と疑う
- 交渉材料を作る:実績を記録する/できることを1つ増やす
- 逃げ道を用意する:副収入の種を小さく育てる(文章・発信・スキル)
- 環境を選ぶ:賃上げや情報公開に前向きな会社・業界へ寄せる
混沌は、怖い顔をして近づいてきます。
でも同時に、古い仕組みのほころびが見える「チャンスの光」でもあります。
あなたの価値は、会社の都合で決まるものじゃありません。小さくても、あなたの一歩は確実に未来を変えます。