「自分って、いったい何者なんだろう?」と感じるときに
「自分は一体どんな人間なんだろう?」── そう深く考え込んでしまうこと、あなたにもありませんか?
だけど、頭の中でぐるぐる考えても、答えはなかなか見えてきません。
そんなとき、ひとつの道しるべになるのが――尊敬する人(メンター)を見つけること、です。
なぜ「尊敬する人」がヒントになるのか
尊敬できる人には、あなたが「いいな」「こうなりたいな」と感じる要素があります。
その「いいな」の裏側には、あなた自身が心の底で大切にしたい価値観や理想が隠れています。
たとえば、ある人を尊敬して「彼女の考え方がブレないところ」「人に優しい態度」が好きだとします。
そのとき、「私も自分の意見を大切にしたい」「人と接するときに思いやりを持ちたい」という思いが、自分の中から顔を出してくるわけです。
心理学の研究でも、メンターと自分の価値観(=似ていること)が強いほど、関係は深まりやすいと報告されています。デジタルコモンズUNO
また、よいメンタリングを受けた人は、自己肯定感が向上しやすいという実証研究もあります。PMC+1
尊敬する人=自分を映す鏡として使おう
尊敬する人をただ見て「すごいな」と思うだけで終わらせず、その人の言動を具体的に観察してみてください。
たとえば:
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毎日の考え方、言葉遣い
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どういうときに迷ったり悩んだりしているか
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周囲への接し方、問題への向き合い方
これらを観察すると、「なぜ私はこの人を尊敬するんだろう?」という問いが浮かんできます。
その問いの答えこそ、あなた自身の心の核(コア)が見つかるタネになります。
メンターをどう活用するか:ただ「憧れ」では終わらせないために
1. メンターを探す
あなたが直感的に「この人だ!」と思える人を選びましょう。
有名人でも、近所の先輩でも、ネット上で尊敬できる人でも構いません。
2. 学ぶスタンスを持つ
その人の言葉や行動を「なぜそうするんだろう?」と問い直してみてください。
本を読んだり、発言を追ったり、可能ならその人の考えを引用してみることも。
こうして学んでいくうちに、少しずつその人の思考パターンや価値観が自分の中に取り込まれていきます。
3. “弱さ”を見せることも大切に
実は、メンターが弱さや迷いを見せること(自分の失敗や葛藤を語ること)は、信頼を深める効果があるという研究があります。evidencebasedmentoring.org
「いつも強い完璧な人」だけではなく、「こういうとき悩むんだな」と思える人のほうが、共感できて親近感がわくからです。
こういうときは、メンターを自分の“魂の鏡”にする
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自分の価値観がはっきりしない
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生き方の軸を探している
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自分の人生に方向性が欲しい
そんなとき、あなたの尊敬する人を鏡にして、「なぜ私はこの人を尊敬するか」を丁寧に見つめてみてください。
そうすると、あなた自身の内側にある “本当に大切にしたいもの” が、静かに顔を出してくるはずです。