危機は「一発」ではなく、鎖のように来る
あなたが苦しいのは、気合いが足りないからではありません。
危機はよく、「因果の鎖」で起きます。
たとえば、財政への不安が広がる → 円が弱くなる(円安) → 輸入品が高くなる。
日本は食料や燃料を海外に頼る部分が大きいので、円安が続くほど、食卓と光熱費がじわじわ痛みます。国内がどれだけ頑張っても、“入口の値段”が上がると止めにくいのです。
さらに金利が上がると、住宅ローンの返済が増えやすくなります。返済が苦しい人が増える → 不動産の値動きが不安定になる → 銀行や企業にも波が来る、という連鎖も起こり得ます。
そして株式市場は、実体経済の鏡というより「お金の出入りが激しい勝負場」になりがちです。大きなお金は、最後はサッと引き上げることもあるので、「上がっている=安心」と決めつけない目が必要です。
最後にインバウンド。統計も大事ですが、現場の体感もヒントになります。
「京都が思ったより空いている」「ホテルが以前より安い日がある」「タクシーがきつい」など、肌感が弱いなら、景気の底力も強くないのかもしれません。

根拠データで“現実の骨格”を押さえる
ここからは、チャプター①の話を支える根拠(公的機関・一次情報中心)です。
- 物価は上がっている:日本の2025年の消費者物価指数(総合)は前年差+3.2%、食料は+6.8%とされています。家計に響きやすい部分が上がっています。
- 円安→輸入高は物価を押し上げる:円の下落は輸入価格を通じて国内の物価上昇圧力になる、という整理が公的研究でも示されています。
- 金利上昇が家計に波及する可能性:日銀が政策金利を引き上げる局面では、ローン金利や金融機関・家計への影響が論点になります。日銀も金融システム面から影響を点検しています。
- 財政への目線は世界からも厳しい:IMFは、日本に対して財政の持続性や金利上昇局面でのリスクに言及し、政策運営への注意を促しています。
- インバウンドは増減があり得る:訪日客数は月や国によって変動し、直近では前年割れの月も報じられています(要因は複合)。

なぜこの鎖は止まりにくいのか(そして個人は何をするか)
この鎖がやっかいなのは、「生活に直撃する順番」で来るからです。
円安は、ガソリン・電気・食料の“土台”に触れます。土台が上がると、企業も家庭も耐えるのが難しくなります。しかも、物価が上がると金利を上げる圧力が出やすい。すると今度は、ローンや資金繰りに負担が乗ります。これは「火に油を注ぐ」ではなく、「火事の近くで風が強くなる」感じです。火そのものより、広がり方が怖いのです。
だからこそ、個人の備えは“予言”ではなく“姿勢”が大切です。
おすすめは次の3つだけ。
- 固定費の点検(通信・保険・サブスク):ここは努力が効きやすい。
- 借金の扱いを丁寧に:金利が動く時代は、返済計画に余白があるほど強い。
- 収入源を一本足にしない:小さくていいので、文章・販売・代行・教えるなど「もう一本」を育てる。
不安は、未来の敵ではなく「備えよ」という通知です。
通知が来たら、スマホを投げずに設定を見直す。人生も同じです。あなたが今日、家計と習慣を少し整えた分だけ、明日の自分が軽くなります。

まとめ
危機は「財政→円安→輸入高→生活直撃→金利→不動産・銀行」みたいに、鎖で起きやすいです。
株やインバウンドは表面の温度計で、体の中(実感)が冷えているなら注意信号。
だから大事なのは、当てにいくことではなく、折れない形にしていくことです。