人は「危険・不安モード」に入ると、すぐ効く安心を強く求めます。
たとえば、疲れている夜に限って、スマホをだらだら見たり、甘いものに手が伸びたりしますよね。あれは「意志が弱いから」ではなく、心と体が緊張していて、脳が“即効の安心”を探しに行っている状態です。
このとき脳は、手っ取り早い快(刺激・報酬)に飛びつきやすくなります。短い動画、通知、買い物、食べ物。すぐに気持ちが軽くなるものほど魅力が強く見えます。

一瞬の安心は得られても、すぐ喉が渇く。だから・・・
ここで仏教の知恵を、むずかしい話ではなく「たとえ」として借ります。
仏教では、渇愛(かつあい)=“もっと欲しい”という渇きが、苦しみを増やすと説きます。
不安モードのときの「もっと」は、こんな形で出ます。
- もっと見たい(スクロールが止まらない)
- もっと欲しい(次の商品、次の刺激)
- もっと認められたい(反応がないと不安)
一瞬の安心は得られても、すぐ喉が渇く。
だからまた“もう一杯”を求めてしまう。まるで海の水を飲むほど喉が渇くみたいに。
仏教の言う渇愛は、「欲しいもの=悪」という意味ではありません。渇きの状態で欲しがると、満たしても満たしても落ち着けない、という気づきです。

「足す」より先に・・・・
ここがポイントです。
「安全・回復モード」に入ると、外から足す快がいらなくなっていきます。
なぜなら、内側が落ち着くと、脳がこう判断するからです。
「もう大丈夫。今は守りを固めなくていい」と。
すると、衝動よりも冷静さが戻り、選択がラクになります。
つまり依存っぽい欲求は、意志の弱さより**状態(モード)**の問題です。
だから鍵は「足す」より先に、緊張をほどいて“安全信号”を出すこと。
今日からできる“安全信号”を3つ置きます。
- 息を長く吐く(10秒)×3回:体に「落ち着け」の合図
- 肩とあごをゆるめる:力みを抜くと脳も警戒解除しやすい
- 刺激を減らす:通知オフ、画面を伏せる、照明を少し暗くする
コツは「強くなる」ではなく、ほどくことです。
あなたは戦って勝つ必要はありません。安全に戻れば、欲求は勝手に小さくなります。

まとめ
不安のときに“もっと”が止まらないのは、あなたがダメだからじゃありません。
渇愛は、心が乾いているサインです。まずは緊張をほどき、内側に安全を取り戻しましょう。
すると、刺激に振り回されずに「選べる自分」が戻ってきます。