「増えたはず」が消える仕組み
日本では「給料が上がった」と聞いても、生活が楽になりにくい現実があります。理由はシンプルで、給料から引かれるお金が多いからです。
まず、給料はまるごと自由に使えるわけではありません。税金や社会保険料が天引きされ、手元に残る“手取り”は小さくなります。
この天引き分は、感覚としては**「働いても受け取れない期間」**みたいなもの。がんばって走ったのに、ゴール手前で靴ひもを結び直させられる感じです。
さらに注意したいのが、会社員(正社員など)は社会保険料の一部を会社が負担してくれている点です。ところが独立・起業をすると、その分も含めて基本的に自分で全額負担になりやすく、負担が重く感じることがあります。
そして最後にもう一段。手取りで買い物をすると、今度は消費税でまた目減りします。**「稼ぐ→引かれる→使う→また引かれる」**という二重の削られ感が、家計をじわじわ苦しくします。

給料は増えても“実質”が減るデータ
たとえば厚生労働省の「毎月勤労統計調査(2025年確報)」では、平均の現金給与総額(名目)は355,941円で前年比2.3%増とされています。
ところが同じ資料で、物価を差し引いた実質賃金(現金給与総額)は、指数98.0で前年比1.3%減となっています。つまり、給料が上がって見えても、物価上昇に負けて“買える量”が減っている。
これが、「働いているのに生活が苦しくなる」の正体です。

「ただ働き感」を増やさないための深掘り
ここで大事なのは、落ち込むことではなく構造を理解して備えることです。
1つ目は、天引きの正体を知ること。社会保険料は種類によって違いますが、健康保険や厚生年金などは一般に**会社と本人で折半(50%ずつ)**が基本です。
だから会社員のうちは“会社が半分持ってくれている世界”にいます。独立後に「同じ感覚」でいると、請求額にびっくりします。
2つ目は、使う段階でも税がかかること。消費税は2019年10月から標準税率10%(軽減8%)の複数税率です。
将来の税や保険料がどう動くかは誰にも断言できませんが、「上がる可能性がゼロではない」と想像しておくだけで、家計の守り方が変わります。
3つ目は、解決策を“気合い”にしないこと。おすすめはこの3つだけでOKです。
- 固定費を小さくする(通信費・サブスク・保険の見直し)
- スキルを小さく積む(文章、デザイン、動画、相談業など“在庫いらず”が強い)
- 収入源を分ける(副業→小さな独立の順。いきなり大勝負しない)
備えとは、未来を怖がることじゃなくて、未来にライトを置くことです。

混沌の時代でも、舵は握れる
給料が伸びにくいのに、引かれるお金が重い。さらに物価が上がる。だから生活が苦しく感じる。――この流れは、あなたの能力不足ではなく、仕組みの問題でもあります。
でも大丈夫。仕組みが見えた瞬間から、対策は打てます。
小さく守って、小さく育てて、選択肢を増やす。今日の一歩は小さくても、明日のあなたをちゃんと助けます。
焦らずいきましょう。風が強い日は、帆を張り替えるチャンスでもあります。